透湿性能
水蒸気を逃がして湿気を家にこもらせない!
内部結露を防いで構造体を腐食から守る
結露は空気中の水蒸気が冷やされることによって発生します。水蒸気が構造体内部にとどまらないようになっていれば、つまり「水蒸気が通り抜けられる建材」を使っていれば構造体に結露ができることはないはずです。しかし日本の多くの家に現在使用されているビニールクロスなどは、水蒸気の動きを遮断してしまうのです。日本の家が短命であることの一因として、内部結露によって構造体が腐食し、それによって断熱性能も劣化することが考えられます。
自分の皮膚、衣服に次いで家を〝第三の皮膚〟とする考え方がありますが、人間の皮膚は汗をかき、衣服は水蒸気を通すなどしてして〝呼吸〟をしています。第三の皮膚である家において水蒸気がせき止められ、呼吸が止まって常に湿った状態になってしまったら、そこで快適な生活を送ることができるでしょうか。人がそこにいるだけで水分が放出され、室内の湿度は高くなります。つまり「家も汗をかく」というわけですが、だからこそ家も人間の皮膚や衣服と同じように透湿性を持つ必要があり、室内の蒸気はすみやかに外へ逃がさなければならないのです。
空気をとどめ、水蒸気を通すバームボード
バームボードは耐水性にすぐれており、たとえ施行中に雨が降っても内部まで雨 が浸透することはありません。そして空気の流れをとどめるので、高い断熱・気密性能も持ち合わせています。それならば水蒸気も雨風や空気と一緒に遮断され そうなイメージですが、そこは高性能なレインコートと同じで、「水蒸気は通し、空気や雨風は通さない」という透湿性能を実現することができたのです。
透湿性能をあらわす「Sd値」
Sd値 <透湿抵抗値(単位:m)> = μ <水蒸気拡散抵抗係数> × d <材料の厚さ(単位:m)>
「Sd値」とは「その素材がどれくらい水蒸気を通すことができるか」という性能を、同じだけ水蒸気を通す空気層の厚さ(m)であらわしたもの。つまり、Sd値が高ければ高いほど、空気の層が厚くなっていくイメージで、それだけ水蒸気も通りにくくなります。これはドイツの建築基準法に批准した数値なので、日本にSd値の概念は公式にはありません。
バームボードはSd値「1」というすぐれた透湿性能を持っています。
断熱材だけでなく、その他の建材も水蒸気を通す
断熱材にいくら透湿性能があるものを使用しても、水蒸気が通り抜けられない外 壁を施工したり、継ぎ目部分に透湿性のないビニールテープを貼ったりすればそこで水蒸気がせき止められ、内部結露が生じる恐れがあります。バームハウスで は構造体に透湿性のない素材を使用しないので、内部結露の発生を抑えることができます。
化学系非透湿性外皮の家は、湿気を通さないので結露が発生し、構造体のカビや腐食の原因になるが、バームハウスは、湿気が通り抜けるので結露の発生が抑えられ、家も長持ちする