Q & A

バームハウスに関するよくある質問です。

Q1.近年知人が断熱対策のしっかりした家を建てました。ですが、冬は暖かいけれど、夏場にエアコンをつけていない部屋は相当な暑さになるそうです。家を断熱化しただけでは、このように室内が暑くなりすぎるのを防ぐことはできないのでしょうか。
A1.家の断熱化については対策をしているメーカーも出始めましたけれども、現在日本にある多くの家は「外からの熱を遮断する=遮熱性能」のことをほとんど考慮していないと言っても過言ではないでしょう。しかし「遮熱性能」の章で述べたように、外からの熱は屋根や壁からどんどん室内へと侵入してきます。断熱化だけに注力して遮熱化をおろそかにしていれば、熱は家の中へ容易に到達してしまうでしょう。おそらくお知り合いの方の家も、遮熱化が不十分なのではないかと思われます。
Q2.透湿性能のあるバームボードは水蒸気を通すけれど、雨は染み込まないのですよね。本当にそんなことが可能なのでしょうか。
A2.単体の水の分子である水蒸気は約0.38nm(ナノメートル)という超微細な粒子で、当然目には見えません。木の繊維からできたバームボードには無数の微細な穴が開いていますが、バームボードの穴よりも水蒸気の粒は小さいので、自在に内部を通り抜けられるというわけです。そして雨粒や空気はバームボードの穴よりもサイズが大きいので、表面でせき止められます。このように透湿性能があることがなぜいいのかは、レインコートを例にとるとわかりやすいでしょう。高性能なレインコートは雨を弾くばかりでなく、湿度の高い環境でずっと着用していても内部が蒸れたりしません。一方安価なビニール製のレインコートを着た場合、確かに雨をしのぐことができますが、染み込んだ雨ではなくレインコートと人間のあいだで発生した水蒸気によって蒸れてしまい、体にべっとりとまとわりつくようになってしまうでしょう。高性能なレインコートを着た状態の方が快適だと思われますが、これは家の中においても同じことなのです。
Q3.バームハウス室内の壁や床に触れると、冬場はほんのり暖かく、夏はひんやりと心地よいという風に聞きました。床暖房も、シーリングファンのようなものも取り付けられていないようですが、どうしてそんなことが起こるのでしょうか。
A3.みなさんのおうちでは、エアコンによる冷暖房を主に使われているのではないかと思います。エアコンが部屋を暖めたり冷やしたりする仕組みは、「対流」という熱の伝え方によるものです。これは温度差のある空気や水が、温かい方が上昇し冷たい方が下降することによって対流が起きることを利用しています。つまりエアコンは部屋の空気を対流させて効果を発揮しているので、シーリングファンやサーキュレーターのようなものがあれば、さらに効果は高まるでしょう。
 熱の伝え方としては、さらに「伝導」と「輻射(ふくしゃ)」があります。伝導は固体の中を熱が伝わっていく仕組みです。金属製のマグカップに熱い飲み物を注いだとき、直接熱い液体の触れていない取っ手部分までが熱くなっていることを思い浮かべてみてください。これが伝導によって熱が伝わっている状態です。そして「輻射」ですが、こちらは水や空気、金属などの物質を媒介することなく、温度の高い方から低い方へと遠赤外線で熱が伝わる仕組みです。バームハウスでは、ウォーターパネルから遠赤外線で伝わる熱が壁・床・天井・家具を温め、それらからさらに遠赤外線で温かさが空間全体に伝わるような「輻射熱」によって、室内の暖かさを確保します。温かさだけではなく、冷暖房用ウォーターパネルの冷房機能を利用した場合は逆に輻射によって室内にあるものが冷やされ、空間全体が冷やされます。これはバームハウスの遮熱、断熱・気密性能が高いからこそ実現できる温度であり、上の方は暖かいけれど足元は寒いといったようなことがなく、室内を均一に暖めたり冷やしたりできるというメリットがあります。
 ウォーターパネルはバームハウスの必需品ですが、冷暖房用か暖房専用かはお選びいただくようになります。冷暖房用ウォーターパネルなら夏場の快適性・省エネ性をさらに高めてくれますよ。
Q4.バームハウスは特別な建材を使っているという印象がありますが、そのぶん工期が長くなったりするのでしょうか。
A4.工場でつくられた家のように数日で建ち上がるようなことはありませんが、通常の木造住宅と同じくらいの工期となります。詳しくは加盟建築会社各社へお問い合わせください。
Q5.バームハウスはデザインが自由ということですが、自分で仕入れた壁紙などを使うことができるでしょうか。
A5.バームボードには透湿性能がありますので、水蒸気の移動を妨げないような素材のものであれば、どんな模様の壁紙でも使うことができます。例えば、特殊なコーティングがされていない紙製の壁紙なら、まず大丈夫でしょう。外壁も同様に、透湿性能があればお好きな素材のものを使うことが可能です。

Q6.最近、家の性能として「ZEH(ゼッチ/ゼロ・エネルギー・ハウス)」という言葉をよく聞きます。ZEHは自らエネルギーをつくり出す家なので省エネになることがわかりますが、バームハウスの省エネ性はどのようなものでしょうか。
A6.経済通産省では 2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」において「2020年の新築住宅の省エネ基準適合率を100%とし、ハウスメーカー等の新築注文戸建住宅の過半数をゼロ・エネルギー・ハウス化する」ことを位置付けており、これからの住宅に「高断熱・高気密」は必須の性能となります。自家発電システムを備えたZEHでは自分たちの使う電力を自分たちでつくることができるので、電気代の節約になり国の施策にあった住宅であるといえます。ただし発電や断熱などの初期投資が高額になることと、設備面の将来的なメンテナンス費用や工程を考えると、ZEHが〝永続的に低コストを維持する家である〟とは一概に言えないでしょう。バームハウスは環境に負荷を与えない建材を使用してメンテナンスを容易にし、高断熱・高気密を実現するのはもちろんのこと、高性能なレインコートのように高い透湿性能も備えています。その証として当モデルハウス(埼玉県川口市東戸塚)では、ZEH基準が定める「高断熱外皮平均熱貫通率(UA値)0.6W/㎡・K以下(埼玉県他)」を大きく下回る0.39W/㎡・Kの高性能を実現しています。そして日本で最も厳しい基準を持つ北海道などでは0.4W/㎡・K以下をクリア。さらには冷暖房用ウォータパネルを使用して全室24時間冷暖房を実行した住宅では、夏は約6,000円、冬は8,500円という24時間連続運転では考えられないような低コストで一年中春のようなうららかさを実現します。